「ぱぱっと」計算 01: パットのスイング運動

ゴルフ

今回はゴルフ初心者の方に向けて、パットにおいてよく聞く定番の注意事項についてお伝えします。

まず最初に、目の真下にボールを置くことが大切です。これは、目線がボールに合っていないと正確なパットができないためです。次に、頭を動かさないようにしましょう。頭を動かすとスイングの軌道が変わり、パットが外れる可能性が高くなります。

そして、バックスイングとフォロースルーを揃えることも重要です。これは、スイングのリズムを保つために必要なことであり、揃えることで正確なパットができるようになります。また、握り方にも気を配りましょう。手首を使わないようにすることで、正確なパットができるようになります。

最後に、なるべく直線的にスイングすることも大切です。これは、ボールを正確に目標に向けるために必要なことであり、曲線的なスイングをするとボールが目標から外れてしまう可能性があります。

以上が、パットにおいてよく聞く定番の注意事項ですが、どう考えても振り子になれと言われているような気がしますよね。そう思う方には、アプリ「ぱぱっと」がおすすめです。このアプリでは、パタースイングを振り子運動として計算しているので、初心者でも正確なパットを打つことができます。

振り子運動とは、いわゆる単振り子のことです。高校で物理を学んだ方は知っているかもしれませんね。単振り子の構成要素は、糸と糸の先にくっついたおもりです。簡単な構造ですが、この振り子運動を理解することで、より正確なパットが打てるようになるかも。

振り子,運動,方程式

つまり、こういうこと。

たとえば、糸の長さをL、おもりの重さをm、そして重力加速度をgすると、力学的エネルギー保存則に基づいて式を導き出すことができます。

$$mgL(1-cos\theta)=\frac{1}{2}mv^2$$
 おもり最高点における位置エネルギー = おもり最下点における運動エネルギー

パタースイングに置き換えた場合、単振り子の場合とは少し異なるポイントが出てきます。まず、糸の長さL。この長さをどう設定するかが重要です。一般的には身長に応じて設定することが多いですが、「ぱぱっと」では身長マイナス30cmを糸の長さLとしています。

糸の先端はもちろん、パターヘッドです。問題は支点の位置ですが、「頭を動かさない」というアドバイスをもらっているので、肩の中心位置を支点としました。ただ、この位置も人によって異なるので、自分に合った位置を見つけることが大切です。

ちなみに、「ぱぱっと」では身長マイナス30cmを糸の長さLとしていますが、これはあくまで目安です。パットする際に前かがみになって低くなる分も考慮する必要があります。プレーヤーご自身のフォームなどを勘案して、自分に合った糸の長さLを設定してみてください。

さて、糸の長さLについて解説しましたが、次はおもりの質量mについてです。右辺と左辺にそれぞれあるため、割り算をすることで簡単に消すことができます。そうです、おもりの重さ=パターの重さは、振り子運動には全く影響しないのです。つまり、どんなパターを使ってもボールの動きは変わらないのです。。。

もちろんウソです。実際はそんなことはありません。なぜなら、単振り子運動方程式上ではおもりの質量mは影響を持ちませんが、後に説明するように、パターとボールの衝突運動においては、パターのクラブ特性が影響を持つからです。

また、角度θは振り子の最高点の角度を表しており、スイング中においてはパターの振り上げ角度に相当します。そして、速度vはおもりの速さを表しているため、パターヘッドの動く速さを意味します。これで全ての要素を置き換えることができました。数値が分かっているため、計算可能になったので、運動方程式を解いてみましょう。

パターヘッドが最下点に来たときの速度vを知っていれば、その後はパターヘッドとボールが衝突してエネルギーが次の運動に引き継がれるため、計算が可能になります。つまり、ゴルフの振り子運動は、おもりの質量やパターの重さよりも、クラブ特性や振り上げ角度、速度などの要素が大きく影響するのです。

$$v=\sqrt{2gl(1-cos\theta)}$$

身長170cmの人がパター振り上げ角度30度でスイングした場合を計算してみましょう。糸の長さは170cm – 30cm = 140cmなので、
 $$v=\sqrt{2\times9.8\times140/100\times(1-cos30^\circ)}=0.606321938$$

と計算できました。

以上でパターヘッドスピードの計算は終わりです。実際に「ぱぱっと」ではこの計算をしています。

話は変わって、パットのスイングについてですが、あるアドバイスで「同じリズムでスイングすることが大事」と言われることがあります。このアドバイスには、実は振り子運動という物理法則が関係しているのです。振り子運動は、糸の長さとおもりの質量が同じであれば、「最高点が違っても運動周期は変わらない」という法則があります。実際に振り子を作って動かすと、この法則が実証されるため、とても興味深いです。

逆に言うと、パタースイングで振り幅に応じてリズムを変えてしまうと、振り子運動とは異なる物理法則が適用されることになります。例えば、バックスイングが大きいときにリズムが遅くなるようなスイングをしている場合、振り子運動で考えた場合と比べて、ヘッドスピードが遅くなってしまいます。このように、振り幅に応じてリズムが変わると、ぱぱっとの振り幅計算に合わなくなってしまうので、注意が必要です。

また、スイング運動について、計算していない要素がいくつかあります。まず、空気抵抗です。パターも風の影響を受けると思われますが、この影響は無視されています。次に、人間自身のスイング摩擦です。人間のスイングなので、理想的な状態ではありません。肩や腰、色々な部位の筋肉などがスイングを邪魔する要素となっているため、これらも無視されています。最後には、ダウンスイング時の人間による力(加速)です。スイングの方法によっては、この力を無視できない場合もありますので、計算要素に含める必要があるので後述します。

以上でパタースイング運動の計算は終了です。

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